腫瘍マーカーについて        

「癌になったら嫌だな」と思いつつも、内視鏡検査やCT、MRI、PETといった、大掛かりな検査は受ける気がしない、または、忙しくて受けられない。

そのような方に、血液検査だけで調べることができるのが、「腫瘍マーカー」です。癌が身体の中で成長すると血液の中で増えてくる物質を調べます。

癌の種類によって、増えてくる物質が違います。そのため、目的の癌のマーカーに絞って検査をしたり、色々な癌についてまとめて調べることができます。

★ただし、まだ早期の癌の場合は、腫瘍マーカーが増加していないことがあります。そのため、腫瘍マーカーが増加していなくても、癌を否定できるわけではありません。癌の早期発見のためには、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)や超音波検査の方が適しています。

もし腫瘍マーカー検査で異常値が出た時、これは仕事を休んででも、一度精密検査を受けなければと思って頂き、治療につながるきっかけになればと考え、検査をご用意しております。

腫瘍マーカー考えられる癌癌以外で高くなるもの
CEA大腸がんや胃がんなどの、消化管の悪性腫瘍を中心に、広範囲の癌で検出されます。喫煙・糖尿病・肝硬変・甲状腺機能低下症・腎不全でも、軽度上昇することがあります。
CA19-9膵臓がん、胆道がんをはじめ、消化管の悪性腫瘍で高くなります。胆石や、糖尿病、子宮内膜症、子宮筋腫などでも、軽度上昇することがあります。
SCC子宮頸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、尿路がん、皮膚がんなどの、扁平上皮がんで高くなります。気管支喘息、気管支炎、腎不全、肝硬変などでも上昇することがあります。
AFP肝細胞がんで高くなります。肝炎・肝硬変でも軽度上昇します。
PSA前立腺がんで高くなります。比較的早期の前立腺がんでも高くなるので、早期発見に役立ちます。前立腺肥大、前立腺炎でも軽度上昇することがあります。
CA125卵巣がんで高くなります。子宮内膜症でも軽度上昇します。
CA15-3進行した乳がんや、乳がんの再発・転移で高くなります。早期の乳がんでは高くならないことがあります。
DUPAN-2膵臓がんに特異的に高くなります。
PIVKA-Ⅱ肝細胞がんに特異的に高くなります。
CYFRA肺がんのうち、扁平上皮がんで高くなります。
NSE肺がんのうち、小細胞がんで高くなります。
SLX肺がんのうち、腺がんで高くなり、また膵臓がんや卵巣がんでも高くなります。がん以外の良性疾患で、陽性になる確率は低いです。